【ニキビの原因と治し方】あご・おでこ・鼻など部位別ニキビ治し方
ニキビは、できてしまうとどうしても気になってしまうものです。自己処理は跡が残りやすく、かえって症状を悪くしてしまう場合もあります。きれいに治したいなら、やはり皮膚科を受診するのがベストですが、まずは部位ごとのニキビの原因と対処法を知っておきましょう。
「思春期ニキビ」と「大人ニキビ」の違い
ニキビができる原因はさまざまです。
10代の思春期にできる「思春期ニキビ」の多くは、皮脂の過剰分泌が原因です。活発に分泌された皮脂が毛穴の中に詰まり、その中でアクネ菌が繁殖してニキビになってしまいます。そのため、皮脂の分泌が多いおでこや鼻先といったTゾーンにできやすく、前髪を下ろしていたらおでこにニキビがたくさんできてしまった、というケースもあります。
皮脂の分泌には個人差がありますから、ニキビのできやすい人はこまめに洗顔をして、余分な皮脂を取り除き、常に皮膚を清潔にしておくことが大切です。
一方の「大人ニキビ」は、皮膚のターンオーバーがうまくいかず、古い角質がはがれずに毛穴をふさいでしまうことで起こります。そのため、皮脂の分泌が少ない乾燥肌の人でもニキビができることがありますし、同じ場所に何度もニキビができてしまうということもあります。
大人ニキビは、まずはターンオーバーの乱れを整える必要がありますが、これにはさまざまな要素が関係しているため、簡単に対処できません。また、肌を清潔に保とうとして洗顔を繰り返すと、かえって肌が乾燥してしまい、さらなる肌トラブルを招いてしまう可能性もありますから注意が必要です。
部位別・ニキビの原因を解説
では、部位ごとにニキビのおもな原因について詳しく見てみましょう。思春期ニキビ、大人ニキビという年齢の違いだけではなく、ニキビはできる部位によって原因が異なります。
【おでこのニキビ】
おでこは皮脂の分泌が活発で、若いころはニキビができやすい部位です。しかし、大人になってからでも、前髪が触れる刺激によってニキビができることがあります。
【鼻のニキビ】
おでことともに皮脂分泌量が多く、油断できない部位です。鼻先にニキビができると目立ちますし、毛穴に皮脂が詰まって炎症を起こしてしまうことがあります。脂性肌の人は、普段からケアしておきたい部分です。
【頬のニキビ】
男性の場合は頬をはじめ、ヒゲが生える部分はニキビができやすいとされています。また、枕や布団についている雑菌に触れることで、ニキビができてしまうこともあります。
【フェイスラインのニキビ】
頬の外側、耳の下のエラのあたりから顎にかけてのゾーンです。ここは、乾燥が原因でニキビができることが多い部分です。もちろん、ホルモンバランスも原因のひとつですから、ぞれぞれの要素を踏まえたケアが必要でしょう。
体にできるニキビの原因は?
顔以外にも、体のあちこちにニキビはできます。
例えば、頭皮は全身の中でも皮脂の分泌が多く、ニキビができやすい部位です。ただし、目につかないため、洗髪中にニキビをつぶしてしまい、なかなか治らないということになりがちです。一方で、人によっては頭皮が乾燥してしまうことで、ニキビや炎症の発生につながることもあります。
背中も頭皮と同じく、自分では見えない部位ですので、ニキビができても気付きにくいでしょう。そのため、知らないうちに大きなニキビになりやすく、入浴中につぶしてしまうというケースもあります。背中が大きく開いた服装や水着になったときのことを思うと、やはり日頃からニキビができないように気を付けておきたいものです。
そのほか、うなじや耳、唇、胸のほか、陰部にニキビができることもあります。
こうした体にできるニキビは、「アクネ菌」やカビの一種である「マラセチア菌」といった菌類の繁殖が原因となることがありますが、これらの菌類が繁殖する理由として次の点が挙げられます。
【菌が繁殖するおもな理由】
・過剰に分泌された皮脂で毛穴が詰まり、菌が繁殖する
・皮膚が乾燥してバリア機能が衰え、菌の繁殖を許してしまう
さらに、皮脂の過剰分泌や皮膚の乾燥は、ホルモンバランスの乱れやストレス、睡眠不足、過度のアルコール摂取など、生活習慣に関係する場合も多いといわれています。ニキビの予防と治療においては、原因となるこれらの要素を多角的に取り除いていくことが大切なのです。
なお、髪や衣服からの刺激で肌がダメージを受け、菌によって炎症を起こしてしまうこともあります。
ニキビができたときの正しい対処法は?
ニキビは、予防や治療が難しいものでもあります。
思春期ニキビについては、こまめな洗顔や薬用ローションを使うことで余分な皮脂を落とし、ある程度発生を抑えることができます。しかし、逆に洗顔をしすぎてしまうと、肌の潤いがなくなってしまい、肌トラブルの原因になってしまいます。
大人ニキビは、さらに多くの要因によってできますから、単純に洗顔とローションだけでは解決できない場合もあります。
ニキビがなかなか治らないというときに、頼りになる存在が皮膚科のクリニックです。
「たかがニキビで皮膚科なんて大げさな…」と思う人もいるでしょう。しかし、ニキビは原因に合わせた治療をすることが大切です。適切な処置をしなければ治りが遅くなったり、跡が残ったりすることもあります。
最近は美容皮膚科を掲げるクリニックが増え、専門の医師に気軽に相談できる環境が整っています。「いつも同じ所にニキビができる」「なかなか治らなくて困っている」という方は、まずは専門医に相談してみてはいかがでしょうか。
クリニックでは、どんなニキビケアが受けられるの?
クリニックでのニキビ治療は、原因に合わせていくつかの方法が用意されています。おもな治療は、塗り薬と内服薬による投薬治療と、各種医療機器による治療がありますが、まずは投薬治療についてご紹介しましょう。
ニキビに有効な治療薬
クリニックで使う治療薬には、以下のようにいくつかの種類があります。
・ビタミンA誘導体…古い角質を取り去るピーリング作用があります
・抗菌剤…ニキビの原因菌を除去することで、ニキビの改善と予防に役立ちます
・抗炎症剤…炎症を抑え、いわゆる「赤ニキビ」を改善します
このほかにも、さまざまな治療薬がありますが、専門の医師なら、一人ひとりのニキビの原因に合わせた薬を処方してくれることでしょう。
医療機器による治療は、ニキビ跡の改善にも有効
美容皮膚科などでは、医療機器を使った治療を受けることができます。これらはニキビ治療専用ではなく、肌の活力を高めることでニキビの改善にもつながるというしくみです。
・フォトフェイシャル…特殊な光を照射して肌質を改善する治療です
・フォトRF…肌に高周波をあててコラーゲン生成を促し、毛穴を引き締めます
・イオン導入…微弱電流に乗せてビタミンCを肌の奥に届け、ニキビを改善します
光治療や高周波治療は、多くのクリニックで行われている施術です。費用はクリニックによって異なりますが、フォトフェイシャルやフォトRFは1回10,000~30,000円前後、ビタミンCのイオン導入は10,000円ほどの料金設定が一般的です。それぞれに特性があり、肌質や症状、求める結果などによって選択が変わってきます。
ニキビの治療はもちろん、しみのように残ったニキビ跡の改善にも期待できますから、医師と相談の上、最適な治療を受けるようにしましょう。