施術後の経過はこうなる!脂肪吸引のダウンタイムとおススメの過ごし方

暖かくなって肌の露出が増える季節では、気になるボディラインやフェイスラインをすっきりさせたいと願う方は多いはず。そんなとき、脂肪吸引で一気にその願いをかなえるという選択肢を考えたことはありませんか? しかし、脂肪吸引は外科的な施術であり、施術後には必ず「ダウンタイム」と呼ばれる期間が生じます。脂肪吸引後の経過を正しく知り、ダウンタイムをどのように過ごせばいいか考えてみましょう!

美容整形でよく聞く「ダウンタイム」って?

ダウンタイムとは、美容整形の施術を受けてから、従来通りの生活を送れる程度に体が回復するまでの期間のことです。特に外科的な施術を受けた後は、程度の差こそあれ、痛みや腫れ、内出血といった症状が起こってしまうもの。それらの症状が治まるまでには、どうしてもある程度の時間が必要になるのです。そのため、結婚式や成人式といった大切なイベントのために美容整形を受けても、ダウンタイムに必要な時間を計算していなければ「イベント当日までに間に合わなかった!」なんてことになりかねません。ダウンタイムにどの程度の時間を要するかは、受けた施術の内容や執刀医の技術、施術を受けた方の体質や体調などが影響し、ケースごとに違ってきます。

脂肪吸引のダウンタイムが起こるわけ

脂肪吸引を受けた後にも、やはりダウンタイムは発生するのでしょうか? 残念ながら、その答えはYes。そもそも脂肪吸引は、運動や食事制限でやせる一般的なダイエットとは異なり、カニューレという3mm程度の細い管を挿入して、細くしたい部位の脂肪細胞を吸引するもの。チューメセント法、レーザー脂肪吸引、ボディジェットなどさまざまな施術法があり、脂肪を吸引したい部位や範囲などによって選択されます。体重を落とすというよりも、直接的にボディラインやフェイスラインを「整える」ことが目的だといえるでしょう。

カニューレを挿入するときは、吸引する部位の皮膚を小さく切開する必要があります。施術後にはその傷口を縫合し、1週間程度してから抜糸することになります。施術中は局所麻酔あるいは全身麻酔を投与されますが、麻酔が切れてからは痛みが出ることが多く、鎮痛薬などを服用することもあります。

脂肪をたくさん取ろうとすればするほど、カニューレの往復する回数も多くなりますから、痛みや内出血は強くなる傾向にあります。また、施術後にはむくみや腫れなどが起こるため、すぐに「細くなった!」と実感できるわけではありません。脂肪を吸引した部位が元通りの形に戻り、効果を実感できるまでには、ある程度の時間がかかるのです。

知っておきたい!脂肪吸引後の症状

脂肪吸引の施術後にどのような症状が起こるのか、そしてその症状が治まるまでにどのくらいの時間がかかるのかを、具体的に見ていきましょう。

・痛み

多くの方が最も不安を感じるのが、施術後の痛みではないでしょうか。麻酔が切れるとだんだん痛みが出てきて、施術後半日~2日頃に痛みのピークを迎えます。この時期は、処方された痛み止めなどを適切に服用して乗り切りましょう。その後、1~2週間程度は痛みが続きますが、徐々に穏やかなものとなっていきます。筋肉痛に似た痛みと表現されることが多く、「動くと痛い」「圧迫すると痛い」といった症状は2週間以上継続することもあります。特に広範囲を吸引した場合は痛みが強くなりがちで、回復にも時間がかかります。

・むくみ

施術を受けた部位は腫れやすく、見た目にもむくんだ状態がしばらく続きます。部位によって期間は異なりますが、元の状態に戻るまでに2週間~1か月程度はかかると考えておきましょう。なお、最もむくみやすいのはふくらはぎで、長ければ3か月ほどむくみが続く方もいるようです。

・内出血

脂肪吸引後、必ず起こってしまうのが内出血です。濃いあざのように皮膚が青紫色になりますが、徐々に薄くなり、一般的には2~3週間くらいで回復していきます。脂肪吸引した部位はもちろん、重力の影響などを受け、それ以外の場所にも発生するおそれがあります。吸引する脂肪の量が多かったり執刀医の技術力が低かったりすると血管を傷つけるリスクが高まり、内出血が強く出てしまうため、治まるまでに1か月程度かかることもあるようです。また、例えばあご下のように皮膚の薄い部位は、内出血が目立ちやすい傾向にあります。

・拘縮

内出血やむくみが落ち着いたころ、一時的に脂肪を吸引した部位が硬くなり、引きつれたような感覚になることがあります。2~3か月たてば自然に改善していくことがほとんどですが、適切なマッサージで症状緩和することも可能です。

・しびれ

施術による感覚麻痺が起こり、脂肪吸引したところが敏感になり、ピリピリとしびれることもあります。逆に、皮膚を触ってもそれを感じにくくなるなど、感覚が鈍くなるという症状も考えられます。いずれも、2~3か月程度で落ち着くといわれていますが、不安な場合は医師に相談しましょう。

・かゆみ

特に治りかけの傷口では、かゆみを感じることがあります。脂肪吸引では、カニューレ挿入のために切開した皮膚はもちろん、吸引した内部も傷を負った状態にあります。かゆみは1~2週間程度で治まることが多いようですが、人によっては長期間にわたって悩まされることもあります。

・色素沈着

場合によっては、脂肪吸引した部位の皮膚が茶色っぽく色素沈着することがあります。適切なアフターケアを受けることで改善するケースが多いものの、半年以上たっても完全には消えないこともあるようです。

・傷跡

切開した皮膚の傷跡が残ります。切開の範囲は部位にもよりますが、数mm程度のことがほとんどです。傷口の回復は部位や体質によってかなり異なりますが、目立たなくなるまでに少なくとも半年くらいはかかるでしょう。顔の脂肪吸引であれば耳の後ろやあご、お腹の脂肪吸引であれば下着に隠れる範囲を切開するといったように、そもそも傷口が目立たない箇所を選んで施術してもらうことが大切です。

ダウンタイム中はここに要注意!

脂肪吸引の施術後に大切なのは、回復期間を短くするためにも、脂肪を取った部位をギュッと引き締めることです。専用のストッキングやフェイスバンドを、施術直後から少なくとも24時間は着用することになります。その後も医師の指導の下、3か月程度は圧迫を続ける必要があるでしょう。

脚や腹部であれば、弾性のあるストッキングを終日はき続けます。顔の場合は、外出中は難しいにせよ、家にいる間はフェイスバンドの着用を継続しましょう。また、圧迫と同時に、ストレッチやマッサージを行うことも重要です。施術を受けた医療施設で、その部位に適した方法の指導を受けるようにしましょう。これらのアフターケアを怠ると、腫れやむくみが強く出てしまったり、施術部位がきれいに仕上がらなかったりするおそれがあります。

ダウンタイム中はこんな過ごし方が理想的!

脂肪吸引後は、施術した部位を濡らさなければ、当日からシャワーに入ることができます。また、体調に問題がなければ、すぐに仕事(デスクワークの場合)に復帰することも、必ずしも不可能ではありません。とはいえ、もちろん激しい運動などは避け、1週間程度はなるべく安静にするのが望ましいとされます。施術後に自分がどの程度の痛みを感じるかは事前に分かりませんから、少なくとも数日間は仕事や学校をお休みできる状況を整えておきましょう。

特に顔の施術を受けた後は、顔がむくんだり、フェイスバンドを着用することになったりで、なるべく人前に出たくないと感じるかもしれません。また、痛みの強さによっては、ちょっとした外出でもつらく感じる可能性があります。食材や日用品などは事前に買い置きしておき、自宅で快適に過ごせるよう準備することが大切です。

おススメは、長期休暇の前半に施術を受けるなど、余裕を持ったスケジュールを立てること。施術後にはプライベートも含めてなるべく予定を入れず、落ち着いて過ごせるようにしておくと安心です。この機会に、読みたいと思っていた漫画を一気読みしたり、ドラマや映画のDVDをまとめて観たりするのもいいですね。

脂肪細胞を物理的に取り除いてしまう脂肪吸引では、その部位の「脂肪が減る」という半永久的な効果を得られますが、一方で体に相応の負担がかかることも事実です。脂肪吸引を検討するときは、信頼できる医師に相談のうえ、ダウンタイムのことまでしっかりと考えて計画を立てられるといいですね。