あごの梅干しシワは治せる?原因と改善方法

口を閉じたときに現れる、あごのボコボコとした梅干しシワ。いったんこの梅干しシワが気になり始めると、鏡を見るたびついつい目が行ってしまうものです。どんなシワも老け顔をもたらす女性の大敵ですが、梅干しシワには他のシワとは違うはっきりとした原因があり、エイジングケアだけでは対処することができません。どうして梅干しシワができるのか、その原因と改善方法をご紹介します。

あごに梅干しシワができるのはなぜ?

肌のエイジングケアを入念にしているつもりでも、あごのデコボコしたシワはいつの間にかできてしまうもの。この梅干しシワは、他のシワとはできる原因がちょっと違う独特なものなのです。

気になる目尻のシワやほうれい線、マリオネットラインなどについてはたくさんの情報が出回っていますから、加齢や乾燥、紫外線などがその原因であることを知っている方も多いでしょう。一方、あごの梅干しシワができてしまう原因には、加齢によるたるみなどよりも、オトガイ筋という筋肉が大きく関係しているのです。

オトガイ筋とは、下唇のすぐ下からあごの先端に向かって伸びていて、下唇を上に押し上げて口元をギュッと閉じる働きをする筋肉です。緊張や不快感、悲しみなどを示す表情を作るときは、意識せずともオトガイ筋が使われています。

普段、口を閉じるときも、オトガイ筋が収縮して下唇が引き上げられるのですが、骨格や歯並びによっては下唇を引き上げる程度が大きいため、下唇に余分な力が入り、オトガイ筋が過度に緊張して、あごにデコボコした梅干しのようなシワが現れてしまうのです。オトガイ筋が過度に緊張する原因としては、次のようなことが考えられます。

・上あごより下あごが後退している

・出っ歯や開咬(オープンバイト)などの不正咬合

・習慣的な口呼吸

・への字口や下唇をかむなど表情に関わる癖

あごに梅干しシワがあると、顔が実年齢よりも老けた印象を与えるだけでなく、不機嫌だったり不満があったりするように見えて、人に暗い印象を与えてしまいますね。では、どうしたら梅干しシワを改善することができるのでしょうか?

これなら自分でできる!梅干しシワの改善方法

あごの梅干しシワが口を閉じたときにだけできるのであれば、口輪筋のトレーニングが効果的です。口輪筋は、口を閉じたりすぼめたりするときに使う、口の周りをぐるっと取り囲んでいる筋で、表情筋とつながっています。この口輪筋を鍛えると、オトガイ筋に過度の力を入れなくても口を閉じることができるようになります。梅干しシワを改善するには、口輪筋を鍛え、オトガイ筋をリラックスさせることがポイントなのです。

・ペットボトルを利用した口輪筋エクササイズ

100~200mLの水を入れたペットボトルを用意し、下を向いて歯を使わずに唇だけでくわえ、10秒キープして外す動作を数回繰り返します。最初は100mL程度から始め、慣れてきたら少しずつ水の量を増やしていくと口輪筋をほどよく刺激できます。口元に疲れを感じたときは無理して続けず、時間を空けて再度トライするようにしましょう。

・風船を膨らませる

唇と頬の筋肉を意識して使い、風船を膨らませることも口輪筋を鍛えるのに効果的です。このとき、手は風船を支えるだけにして、息は鼻から吸い込み、風船から空気が漏れないように注意します。口輪筋のトレーニングは、ほうれい線やたるみの予防にもなるので一石二鳥ですね。

・口角を上げるモナリザスマイル

唇を閉じた状態で、あごの力を抜いて口角を上げ、自然な微笑みを浮かべてみましょう。モナリザの微笑みをイメージして、口角を耳元へスーッと引き上げるようにするのがコツです。モナリザスマイルは、オトガイ筋をリラックスさせる効果が期待できます。

・鼻呼吸を心がける

口呼吸が知らず知らずのうちに習慣になっていると、口の周囲の筋肉の力が衰えて、あごが正常な位置からずれてしまっている可能性があります。鼻呼吸では常に口を閉じている状態なので、口輪筋やオトガイ筋だけでなく、口周りの筋肉がバランスよく鍛えられます。

美容整形で梅干しシワを改善するならどんな方法?

美容整形によって梅干しシワを簡単に解消する方法として、ボトックス注射があります。ボトックス注射は額や目尻などの頑固なシワを改善させることで有名ですが、あごの梅干しシワにも効果が高く、注射を1本打つだけなのでスピーディーに施術が完了し、プチ整形の代表選手ともいわれています。ボトックスは筋肉の過剰な動きを止めて緩ませる効果があるため、シワの原因そのものを断つことができます。シワは放置すると固定化して深く刻まれていきますから、できるだけ早く対処することが重要なのです。

ボトックス注射の施術時間は5分程度です。事前に麻酔クリームを塗るため、注射時の痛みは軽減されます。施術後は注射した部位を保冷剤で5~10分ほど冷やしますが、大きな腫れは起こらないので、これ以上のダウンタイムは必要ありません。

ボトックス注射の効果は、施術後3日頃から徐々に現れ、約1週間後にはピークに達し、4~6か月かけて徐々に効果が弱まって元に戻ります。その間、異常がなければ通院の必要はありません。注射針を刺した跡から出血がみられない限り、当日からメイクや洗顔、シャワー浴も可能です。

ボトックス注射にもデメリットはある?

メスを入れる施術ではありませんから、ボトックス注射によるダメージは最小限であると考えていいでしょう。それでも、意図せぬ事象が起こることもあり得ます。

最も考えられるのは内出血(青あざ)です。内出血は注射針が偶発的に細い血管に当たってしまったときに生じますが、その確率は数%ほど。内出血が生じたとしても、1~2週間で消滅します。注射当日からメイク可能なので、コンシーラーなどで目立たなくすることもできます。

また、まれに頭痛がしたり、しゃべりにくくなったりすることもあります。しゃべりにくくなるのはボトックスが影響して唇が動きにくくなるためですから、あまり広範囲への注射は勧められないことが多いでしょう。

ボトックス注射を受ける場合の注意点

カウンセリングを受けた当日の施術も可能ですが、針を刺してボトックスを注入するため、腫れが出やすい状態になります。そのため、施術後の過ごし方には注意が必要です。

・当日はシャワー浴OK、湯船に浸かるのはNG

入浴で血行が高まると、腫れが出やすい状態になります。サウナや岩盤浴も避けたほうが無難です。温泉に行く予定などがある人は日程を調整しましょう。

・当日の激しい運動はNG

やはり血行が高まることで腫れや内出血が生じやすくなるおそれがあるため、施術後当日は歩いたり家事をしたりする以外の激しい運動は避けましょう。スポーツジムやダンスなどのレッスンに通っている方や、ランニングの習慣がある方は要注意です。

あごの梅干しシワが気になったなら、まずは自分でできる改善方法を実行してみてください。より高い効果や、短時間での改善を望む場合は、ボトックス注射がお勧めです。ただし、不正咬合が原因であれば歯列矯正で改善するケースもありますし、ヒアルロン酸注射を組み合わせたり、オトガイ(顎)形成を行ったりしたほうが理想に近付けるケースもあるため、自己判断は難しいと思います。「ボトックス注射を受けてみたいな」と思ったら、専門医に相談してみましょう。