笑うと歯茎が見える…ガミースマイルの原因・自分で治す方法と改善策

ニコッと笑ったときに唇が大きくめくれ、歯茎まで見えてしまう「ガミースマイル」。チャームポイントであるはずの笑顔が台無しと、悩む人は男女ともに多くいます。

なぜ、こうしたことが起こるのでしょう?そして、どうすれば治すことができるのでしょうか?

笑いたくても笑えない…ガミースマイルの印象

笑顔は人と人とをつなぎ、幸福を呼び寄せます。日本では昔から「笑う門には福来たる」といいますし、海外でも笑顔に関わることわざや格言は数多く見られます。「平和は微笑みから始まる」「笑いはシェアすることで2倍になる」「優しい笑顔は思いやりの世界共通言語」など、国や地域、民族も時代も関係なく、人は皆、笑顔の力を十分に知っていました。

でも、その笑顔にどうしても自信が持てない…それがガミースマイルの悩みです。

ガミースマイルは、笑ったときに歯茎が露出してしまう状態を指します。その程度は個人差が大きく、歯茎がほんのわずか見えるくらいという人もいれば、歯茎全体がむき出しになってしまうというケースもあります。

あまりにはっきりとしたガミースマイルは下品で粗雑な印象を与えがちで、特に女性にとっては大きな悩みになりやすいものです。そのため、常にマスクを着用して口元を隠している人や、「できるだけ笑わないようにしている」という人も多いことでしょう。ですが、それはそれで「無表情」「感情が乏しい」と見られがちで、別の悩みにつながってしまいます。

楽しいとき、うれしいときにも思いきり笑うことができないというのは、なんとも悲しいことです。何かうまい対策はないものでしょうか?

ガミースマイルが起こる原因は?

ガミースマイル対策を考えるまえに、まず「なぜガミースマイルが起こるのか」を理解しておきましょう。その原因はさまざまで、いくつかの原因が複合していることもあります。

・歯並びや歯の大きさ

歯が小さく、その分歯茎の縦幅が長い人は、唇がほんの少しめくれただけで歯茎が見えるため、ガミースマイルになりやすいといえます。

また、歯並びが悪かったり出っ歯ぎみだったりすると、笑ったときに歯茎のあたりまで唇がめくれてしまい、これもガミースマイルになってしまいます。

・顎の骨格

上顎が大きかったり、逆に下顎が小さかったりするために、口元全体が前に突き出た、いわゆる「口ゴボ」の人もガミースマイルが起こりやすくなります。

・口元の筋肉

上唇を引き上げる筋肉が発達していて力が強かったりすると、ガミースマイルになりやすいです。また、この筋肉が緊張しやすいと、口を開いただけで歯茎が見えてしまうこともあります。

・上唇そのものの長さ

元々上唇が短いと、ほんの少し唇が持ち上がっただけで、歯茎が見えてしまいます。

いずれの場合も、すぐに解決するのは簡単ではありませんが、対処法はあります。あきらめず、対策を考えてみましょう。

ガミースマイルを自分で治すにはどうすればいい?

ガミースマイルの原因を見てみると、どれも歯や骨格、筋肉が関係していますから、自分で治すというのはちょっと難しそうです。ですが、方法がないわけではありません。

ごく軽度のガミースマイルなら、日常的なケアや努力で改善できる場合もあります。まずは、自分でできる対処法をご紹介します。

・口周りの筋肉をほぐす

まず、鏡の前で唇の両端に人差し指をあて、そのまま上に引き上げて笑顔の口元を作ってみましょう。そのまま3〜5秒ほどキープしたら、元に戻して楽にします。

これを「小さなスマイル」「中くらいのスマイル」「大きなスマイル」と、程度を変えて繰り返します。こうすることで口周りの筋肉をほぐし、過度に緊張しないようにしていくのです。

・笑い方のトレーニングをする

表情が売り物であるモデルさんなどは、自分の顔立ちや印象に合う表情を徹底的に研究しています。軽度のガミースマイルであれば、「歯茎がほとんど見えない笑い方を身に付ける」というのは、決して無理難題ではありません。鏡の前で、笑顔を練習してみましょう。

これらの方法は誰にでも挑戦できますが、短期間で効果が得られるものではありません。地道に、長く続けることが大切です。ですが、日々の習慣にしてしまえば、やがてその効果は表れてくるはず。あきらめず、長く続けることが大切です。

ガミースマイルをクリニックで治すには

美容医療の面からガミースマイルをとらえると、その治療には歯科によるものと外科によるもの…つまり美容外科による治療があります。それぞれの領域が重なるところもあるのですが、まずは歯科的なアプローチからご紹介しましょう。

審美歯科におけるガミースマイルの治療法

歯科で治療を受ける場合は、ガミースマイルの治療と合わせて、ホワイトニングやセラミックカバーの装着などを考えてもいいかもしれません。品良く微笑んだ口元から輝くばかりの白い歯が覗く…。そんな憧れの笑顔を実現できることでしょう。

・歯冠長延長術

歯冠長延長術は、前歯の上に被さっている歯茎を丁寧に切り取り、歯を長く見せるとともに歯茎を短くする処置です。これは、爪の甘皮処理と同じ発想です。切り取る幅は実際の寸法にするとほんのわずかなのですが、それ以上に見た目の効果は大きく、軽度のガミースマイルならばこの方法で解決できます。自費診療になるので費用はかなり幅広く、1本あたり1~5万円が相場です。ガミースマイルの治療であれば複数本治療することになりますので、安くても5万円以上になるでしょう。

・粘膜切除法

粘膜切除法は、上顎の歯茎に横方向に切れ込みを入れ、切除して上唇の開き具合を調整する方法です。粘膜を切除するため、術後に腫れが出ますが、2週間ほどで治まります。こちらも自費診療ですので、治療する歯科医院によって費用が異なり、相場は5~30万円程度と幅広いです。

・歯科矯正治療

歯並びによってガミースマイルが起こっている場合には、歯科矯正治療が有効です。時間はかかりますが、ガミースマイルが治るだけでなく、歯並びも良くなるのがメリットです。費用はケースバイケースですので、歯科医師に相談してみましょう。

美容整形外科におけるガミースマイルの治療法

美容整形では、さまざまな視点からガミースマイルを治療できます。ただし、どの方法にも一長一短があり、治療を受ける人の状況によってどのような治療法が適しているのかが異なりますから、医師と相談の上で施術内容を決めることが重要です。

・ボトックス注入法

一般的に「ボトックス」という名称で呼ばれますが、厳密にはこれは商品名で、成分名としては「ボツリヌストキシン」といいます。これは、神経に働きかけて筋肉の動きを弱める薬剤で、例えば額に注射すると表情筋をゆるめ、表情ジワを抑えることができます。

これを上唇に注射することで、上唇が過度にめくれてしまうのを防ぎます。

費用は3~5万円ほどで、注射するだけですから短時間で受けられ、腫れの心配はほとんどありません。ただし、その効果は半年ほどしか続きませんから、定期的に注射を受ける必要があります。

・耳介軟骨移植法

耳などから採取した軟骨を鼻の下に移植し、上唇が過度にめくれることを防ぐ方法です。軟骨が鼻と上唇とのあいだで「つっかい棒」のような役割を果たしてくれます。

具体的な施術内容としては、まず耳の後ろを切開して、耳の軟骨を切り取ります。次に鼻の穴の内側に切れ目を入れ、そこから上唇の上側まで切り広げて、ポケットを作ります。そこに採取した軟骨を移植し、位置を固定して縫合します。費用は30万円前後が目安です。

・挙筋・粘膜切除法

上唇と歯茎のあいだを切開して、上唇を持ち上げる上唇挙筋と粘膜を切り取る手術です。鼻と上唇との距離が短くなるため、笑っても歯茎が見えず、バランスのとれた美しい口元を演出できます。切開するのは口の中だけですから、傷跡が目立つ心配はありません。費用は30〜40万円ほどです。

ガミースマイルを解決して笑顔に自信を!

ガミースマイルは「こんな顔じゃ人前で笑えない…」と深刻な悩みになりがちですが、ここでお話ししたように解決法は数多くあります。まずは自分でできる方法を試してみて、難しいようなら歯科医や整形外科医に相談する…というのも賢い方法でしょう。悩んでいるばかりでは何も解決しませんから、まず一歩を踏み出してみることが大切です。

冒頭でもお話ししたとおり、笑顔は自分自身だけではなく、あなたの周りにいる人たちまで幸せな気持ちにしてくれます。その笑顔に自信がよみがえれば、あなたはますます魅力的になるでしょうし、毎日がもっと豊かなものになるでしょう。

ほかの誰のものでもないあなたの素敵な笑顔を、ぜひ手に入れてください。