顎が長いのがコンプレックス…顎が長くなる原因と自力で短くする方法

顎が長いのがコンプレックス…顎が長くなる原因と自力で短くする方法

女性にとって、外見の美醜は重要です。他人には気にならないようなことでも、本人からしてみると非常に深刻なコンプレックスだということも少なくありません。

最近はさまざまな化粧品が出ていますから、メイクによって気になるパーツを目立たなくすることもできます。しかし、目や口のようなメイクをしやすい場所以外では、その効果が少ないのも事実です。特に、ハイライトやシェーディングを入れにくい「顎」のコンプレックスはどうやって解決すればいいのか、悩んでいる人も多いでしょう。

顎に関するコンプレックスの代表的なものとして「しゃくれている」「歯並びが悪くて受け口」などがあると思いますが、「顎が長い」「鼻の下から顎先までが長くて顔が間延びして見える」という悩みを抱えている人もいます。顎を短くするなんて、骨格の問題だから自分では直しようがないとあきらめてしまうまえに、少しでも印象を良くできるような解決方法を探してみましょう。

顎が長くなってしまう原因は?

解決方法を知るまえに、なぜ顎が長い、もしくは長く見えるのか、原因を理解しましょう。そもそも顎が長いのは、完全に骨格の問題ではありません。もちろん、そもそも顎の骨が大きい、長いという人もいますが、後天的な原因によって顎が長くなってしまう人もいます。歯並びや筋力の低下、頭蓋骨の歪みなど、考えられる原因はさまざま。ひとつずつ見ていきましょう。

・歯並び

上顎から生えている歯よりも下顎から生えている歯のほうが前に出ている「受け口」の場合、顎が大きく、長い印象になりがちです。

受け口には、「反対咬合(はんたいこうごう)」と「下顎前突(かがくぜんとつ)」の2つの症状が見られます。反対咬合は、下顎から出ている歯が唇側に向かって生えているか上顎から出ている歯が口内へ向かって生えている、もしくはその両方の状態のこと。下顎前突は下顎の骨が前方へ出ている状態のことです。

物を噛む際の力で悪化してしまう人もおり、長い期間受け口で過ごすうちに、より顎が長くなってしまう可能性もあります。

・顔の筋力の低下

下顎を作る下顎骨は、頭蓋骨の中でも大きく重い骨のひとつです。この下顎骨を支える顔の筋肉が疲れや衰えで伸びたままになってしまうと、顎をしっかり支えることができず、下顎骨の位置も下方へと落ちていきます。年を重ねるにつれて、顎を含めた顔の下部が長くなってきたという人は、顔の筋肉が衰えている可能性があるでしょう。

・頭蓋骨の歪み

人間の頭蓋骨は、20個以上の骨が組み合わさってできています。この骨に歪みが生じると、頭皮や皮膚がたるんだり、顔の筋肉が引っ張られたりしてしまい、結果として顔が歪む原因になるのです。歪み方によっては、顎が長い印象を与えてしまいます。

・栄養不足

栄養不足によって顔がこけたり、筋肉が衰えたりすることで顔が細長くなり、顎が長く見えるということもあります。

自力で顎のコンプレックスを解消する方法は?

顎の長さやしゃくれそのものをすぐに直すというのは難しいかもしれませんが、顎が長い原因によっては、ある程度自力で改善することもできそうですね。さっそく、長く見える顎を短くするにはどのような方法があるのかまとめてみましょう。取り入れられそうな方法があれば、ぜひ試してみてくださいね。

・メイクで目立たなくする

メイクで長い顎をカバーするのは難しく感じるかもしれませんが、全体のメイクを見直すことで顔のパーツのバランスを整え、顎を目立たなくすることができます。気を付けるべき点は2つ、「顎以外のポイントへ視線がいくようにすること」と「縦長のシルエットを作らないこと」です。

まず、顎から離れた目元を目立たせることで、顎の印象が薄くなるようにしましょう。具体的には、目の横幅を広げるようなメイクにします。アイラインは目尻から少しはみ出すくらい長めに引いて、まつげも目尻側が長くなるように。下まつげにも丁寧にマスカラを塗って目尻側に流すようにすると、目の横幅を強調できます。

また、顎が長い人の多くは、顔が縦に長い面長な形をしています。そのため、縦の長さを強調してしまうようなメイクはNG。

眉毛は平行気味に、チークも横長に入れましょう。チークは頬骨よりも少し下に入れると、目から顎までの距離が短く見え、顎の長さが目立ちません。顔が細く見えないように、シェーディングもおでこと顎だけに入れるようにしましょう。

・髪型を変える

髪型を変えることでも顎の印象を抑えることができます。メイク同様、顎が長い人は、顔が縦長に見えないようなヘアスタイルがおすすめ。

例えば、ショートボブやロブなど、髪の毛自体が短いスタイルや、トップよりサイドにボリュームがあるスタイルが向いています。顔の中心を下に持ってくるために、前髪は下ろすか斜めに流すのがおすすめです。

逆にやってはいけないのがセンター分けのロングヘアーです。面長が強調されてしまい、さらに顎が長く見える可能性がありますので注意しましょう。

・マッサージや小顔矯正

むくみや歪みが原因の場合、マッサージや小顔矯正を受けることで顎のラインを引き締めることができます。

小顔矯正の場合、即効性はありますが定期的に施術を受けないとすぐに顔の歪みが元に戻ってしまうので、継続することが重要です。同様に、マッサージも定期的に続けるようにしましょう。

・生活習慣を改善

生活習慣を見直すことで、顔のむくみ・歪みを改善・予防できます。

食事の際に左右両方で物を噛む、頬杖をつかないようにするといったことを普段から心掛けましょう。また、疲労やストレスから代謝が悪くなったり、顔の筋肉が張ってしまったりすることもありますので、しっかりと睡眠をとり、ストレスの少ない毎日を心掛けるといったことも大切です。

整形で顎を治すことはできる?

長い顎を整形手術で短くする場合、どのような方法があるのでしょうか?美容整形、美容歯科の両方から見てみましょう。

美容歯科の矯正で、長い顎を治す場合

美容歯科で歯並びを矯正することによって「顎が出ている」という印象を改善することができます。歯並びが悪い場合、ついそこに人の目がいってしまい、顎にも注目が集まってしまうケースがありますが、そういった問題は歯列矯正によって軽減されるでしょう。

しかしながら、歯列矯正で改善できるのはあくまでも歯並びだけであって、顎の長さや大きさを変えることはできません。症状によっては美容整形ほど大きな効果は得られないことも多くあると考えましょう。

また、歯列矯正が完了するまでには1~3年ほどかかります。自由診療になりますので保険が適用されず、費用の目安は100~200万円ほどと高額です。

まずは顎や口元の印象を改善したいということであれば、歯列矯正はおすすめです。ただし、顎自体の長さが気になるという場合であれば、美容外科の手術のほうが思うような効果をもたらしてくれる可能性があります。

美容整形で長い顎を治すなら、どんな方法がある?

美容整形の場合には、顎の長さや形を修正するために顎の骨を切る手術が一般的です。

施術の種類としては、骨の切り方によって「セットバック」「垂直骨切り(Vライン形成)」「水平骨切り」などがあります。多くのクリニックでは「顎骨切り」などのメニュー名で提供されており、どのように骨を切るかは、患者の顎の骨や神経の状況によって変わります。

具体的にどのように顎の骨を切っていくのか、代表的な施術について解説します。

・セットバック

口元全体を後ろに下げるための手術で、下顎だけでなく口元全体が前に突出しているために、顔の下半分が長く見えている場合に適しています。上下左右の第一小臼歯(真ん中から4番目の歯)を抜歯し、上顎と下顎に切れ目を入れ、抜いた骨の分だけ口元を後方へ移動させます。手術は3時間程度で終了しますが、3番目と5番目の歯をワイヤーで縛る必要があり、術後6ヵ月ほどは前歯で食べ物を噛みちぎることを控えなくてはいけないなど、日常生活に制約が出ます。

・垂直骨切り(Vライン形成)

顎が大きい、幅が広いといった場合に用いられる手術です。顎の骨の中央をカットし、左右の距離を縮め、元の顎の骨との段差を削り、細いV字の顎を形成します。顎の幅を8~15mmほど細くすることが可能なため、シャープな輪郭を作ることができます。手術時間は約2~3時間ほどです。

しびれや皮膚のたるみといったリスクがあるほか、元の輪郭によっては想定よりも顎がシャープにならないといった可能性もあります。

・水平骨切り

顔が長い、顎が長い場合に用いられる手術です。顎の骨に水平方向に2本の切れ目を入れ、中間骨を切除して上下の骨を固定することで顎の長さを縮めると同時に位置を調整し、長い顎やしゃくれなどを修正します。個人差がありますが、最大で8~10mmほど顎を短縮できます。手術は約1時間半で終了します。

しびれや皮膚のたるみ、知覚過敏といったトラブルや、骨を固定する際に曲がってしまうなどのリスクがあります。

どういった種類の骨切り手術を行うかにかかわらず、骨を切る手術は体への負担が大きく、術後も長い時間、腫れや痛みが続く可能性があります。顔が引きつってしまったり、顔面麻痺を引き起こしてしまったりといったリスクも、まったくないわけではありません。顔面神経麻痺の発生率は0.13~0.67%と決して高くはありませんが、万が一を考えると手術を受けるのを躊躇してしまう人もいるでしょう。

トラブルがまったく発生しなかったとしても、術後の腫れは避けられません。具体的な内容によっても変わりますが、施術を受けてから回復するまでの「ダウンタイム」は数週間~数ヵ月に及びますので、その間は仕事や日常生活に支障をきたす可能性もあります。

また、顎切り手術の費用の相場は100~150万円ほどとなっています。金額も決して安いものではありませんので、後悔のないように、しっかりと医師のカウンセリングを受けてから手術を決めることをおすすめします。

顎の長さを改善する方法はさまざま。整形手術をするならリスクやデメリットを理解してからにしよう!

自力で改善するにしろ、整形手術や歯列矯正を受けるにしろ、メイクで見え方を変える以外に、短期間で顎の長さや形を改善するのは難しいものです。

まずは自力で改善する方法を試してみて、「それでも効果がない」「満足できない」という場合には、整形手術や歯列矯正を検討してみるといいでしょう。これらの方法は金額的な負担が大きいだけではなく、体への負担や健康面でのリスクも大きくなります。

デメリットや失敗例などもよく調べた上で、しっかりと医師のカウンセリングを受けるようにしてくださいね。