あごが割れてる…顎割れ(けつあご)の原因と治す方法・悪化させない方法
細くとがった顎や小さな顎は女性らしさを感じさせますが、逆に大きくしっかりとした顎は男性的な印象を与えます。
このように、顎の形や大きさでも、見た目に及ぼす影響はかなり大きいものです。中でも顎の中心がへこんでお尻のような形になっている「けつ顎」は、コンプレックスに感じる女性も多いようです。なぜ顎がこのような形になってしまうのか、気になる人も多いでしょう。
どうしてもけつ顎を直したいという人のために、けつ顎になってしまう原因やその改善方法についてご紹介します。
けつ顎ってどんな状態?
まずは、けつ顎がどのようなものなのかを簡単に紹介しましょう。
けつ顎は「割れ顎」と呼ばれることもあり、文字どおり顎先が割れているように見える状態のことです。男性に多いイメージがありますが、女性にも現れます。
海外ではセクシーな特徴だととらえられることも少なくないようですが、日本では「けつ顎」という名称も影響しているのか、あまり良い印象を持たない人も多いです。周囲の人が気にしていなくても、本人が深刻に悩んでいるというケースも少なくありません。
しかしながら、実はイケメン俳優やアイドルでもけつ顎の人はおり、「けつ顎の美男美女」というのも珍しくありません。少しくぼんでいる程度であまり目立たないのであれば、必要以上に気にせず、チャームポイントだと考えられるといいですね。
けつ顎になる原因は?
けつ顎になってしまう原因は、「遺伝によるもの」と「筋肉の発達過程で形成されるもの」が考えられます。それぞれを詳しくご紹介します。
・遺伝によるもの
遺伝など、先天的な要因でけつ顎になるケースです。通常、幼少期に骨が発達していく過程で下顎骨が結合されるのですが、この結合が不完全な場合、下顎骨にへこみが生じてしまいます。このへこみに沿って顔の筋肉や皮膚がつくので、顎が割れているように見えるのです。
・筋肉の発達過程で形成されるもの
先天的に下顎骨に溝がなかったとしても、筋肉の発達によってけつ顎が形成されてしまう場合もあります。
唇の周りから顎にかけて「オトガイ筋」というV字型の筋肉があり、ここが発達するとオトガイ筋のない真ん中の部分がへこんだように見えてしまいます。
オトガイ筋の発達には食生活が大きく影響していると考えられるため、固い物を食べることの多い人は要注意。現代人は、昔と比較すると食生活が欧米化し、肉を多く食べるようになったことで顎の筋肉が発達しやすくなりました。後天的にけつ顎になる確率も、上がっているのかもしれませんね。
けつ顎を自力で改善するのは正直難しい…でも悪化させない方法ならある!
遺伝によって下顎骨がへこんでいる場合は、自力でけつ顎を改善するのはかなり難しいです。太ることで顔に脂肪がつけばけつ顎も目立たなくなりますが、二重顎や顔が大きく見えるなど、また違う悩みが生まれてしまうでしょう。
けつ顎の原因がオトガイ筋の発達によるものであれば、その筋肉を衰えさせれば、顎のへこみを目立ちにくくすることができる可能性があります。しかしながら、オトガイ筋は口を動かすときに使われる筋肉であり、日々の食事や会話でも使われる部分です。さらに、オトガイ筋が弱まると二重顎の原因にもなりますので、「できるだけ筋肉を使わないようにして衰えさせる」というのはおすすめできません。
ただし、今よりもけつ顎を悪化させないためにできることはあります。筋肉が発達していけば、けつ顎も顕著に現れるようになっていきますので、必要以上に刺激を与えないようにしましょう。日常的に触る癖がついている場合には、オトガイ筋が刺激されてけつ顎が余計に目立ってしまう可能性もあります。
そのほかにも、肉食中心で顎をよく使っているという人は、食生活を見直してみるのもおすすめですよ。
自力で治すのが難しいけつ顎の悩みは美容整形で解決
けつ顎を抜本的に改善するには美容整形が一番効果的です。特に先天的な原因でけつ顎になっている場合、美容整形でしか解決できないと考えたほうがいいでしょう。けつ顎を治す場合、具体的には3つの施術方法があります。ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
・ヒアルロン酸注射
顎のへこんでいる部分にヒアルロン酸を注射して、けつ顎を目立たなくします。施術時間は10分ほどで、痛みや腫れも少ないため、ダウンタイムも短くて済む手軽な方法です。
ただし、ヒアルロン酸は体内に吸収されてしまう成分であるため、効果の持続期間は数ヵ月~数年程度であり、定期的なメンテナンスが必要となってしまいます。また、ヒアルロン酸の打ち方や量によっては、思っていたような仕上がりにならず、顎が大きく見えてしまう、顎が前に出てしゃくれた印象になってしまう場合もあります。
注射するヒアルロン酸の質や量にもよりますが、料金は1ccあたり5~10万円が一般的な目安となっています。
・シリコンプロテーゼ
顎にシリコンプロテーゼを入れ、顎の形を整える手術です。ヒアルロン酸注射と違い、半永久的にけつ顎を改善できるため、定期的なメンテナンスが面倒という人におすすめです。ただし、埋め込むシリコンプロテーゼのサイズや形が悪いと割れ目をうまく埋めることができず、思ったような効果が得られない可能性もあります。また、基本的にはシリコンプロテーゼを入れた分だけ顎が前に出ることになりますので、注意が必要です。
手術では下唇の裏側を切開し、シリコンプロテーゼを挿入します。施術時間は30分程度です。施術後2日ほどはテープを貼ってシリコンを固定する必要がありますが、傷口は口の内側で外からは見えないため、それ以降はマスクなどで隠す必要もありません。
口の中は皮膚と比較すると傷の治りも早いため、通常の整形手術よりもダウンタイムが短くて済みます。シリコンのずれを防ぐため、1ヵ月は頬杖やうつぶせ寝を避けるようにしましょう。手術料金の相場は30~40万円といったところです。
・顎骨削り
歯茎の下の部分を切開し、けつ顎の原因になっている顎骨を削る手術です。けつ顎を治す施術方法の中では唯一、顎そのものを小さくすることができる手術でもあります。けつ顎というだけでなく、顎自体が大きい、顎が長いなどの悩みもある場合、顎骨削りが適切な方法となりうるでしょう。
全身麻酔で行うため、ほとんどのクリニックで3日程度の入院が必要となっています。確実に、且つ永久的にけつ顎を治すことができますが、骨を削る大掛かりな手術になるため、ほかの方法と比較して料金が高額で、体への負担も大きいです。
術後3ヵ月程度は痛みも強く、個人差はありますが、完全に腫れが引くまでには半年ほどかかることもあるでしょう。確率は低いですが、手術を受けることで顔の神経が傷付いて顔面が麻痺したり、化膿してしまったりするリスクもあります。手術費用の相場は100~150万円です。
どうしてもけつ顎を治したいという場合には、まずはヒアルロン酸注射などリスクや体への負担が少ないものを試してみるといいでしょう。けつ顎が解消された自分の顔のイメージも明確になりますよ。ヒアルロン酸注射の場合、半年~数年でヒアルロン酸が体内に吸収されて元の状態に戻りますので、施術結果が気に入らなかった場合でも安心です。
顎骨削り手術は大掛かりな上、元に戻すこともできません。手術後の回復期間も長いため、安易に受けることはおすすめしません。本当に自分に必要な手術なのかをよく考えてから実行するようにしましょう。
自分に合った方法でコンプレックスを解消しましょう
自分では気になっているコンプレックスも、「他人から見ると気にならない」「言われなければ気付かなかった」ということも少なくありません。特にけつ顎は自力で治すのが難しく、改善するためには整形手術に頼ることになります。美容整形は決して悪いことではありませんが、医療行為である以上、一定のリスクはあります。
そこまでして解決したい悩みなのかをよく考えて、自分に合った解決方法を選んでください。あまり深く思い悩まず、コンプレックスと付き合っていければいいですね。