こめかみのへこみ・くぼみの原因とは?治す方法を知って老け顔から脱却

こめかみのへこみ・くぼみの原因とは?治す方法を知って老け顔から脱却

ふっくらとした肌は、若々しい印象を与えます。しかし、年をとると肌の弾力が減り、輪郭などもたるんでくるのが現実です。

肌や顔の筋肉がゆるむことで、こめかみがへこむこともあるようです。日本人に多いといわれているこめかみのへこみは、疲れて見えたり表情が暗く見えたりする原因になります。こめかみの変化によって年齢を感じる女性も意外と多いのだそうです。

では、なぜこめかみはくぼんでしまうのでしょうか。こめかみがくぼんでしまう原因、そしてくぼみの解決方法をまとめてみましょう。

なぜこめかみがへこんでしまうのか?

こめかみとは、目と耳のつけ根のほぼ中間にある、両目の目尻の外側部分のことです。この部位は下顎骨を支える側頭筋があり、歯で物を噛むとこめかみが動くのは、この筋肉が咀嚼に連動して動くからです。

こめかみがへこんでしまう原因を、具体的に3つ見てみましょう。

・肌の弾力が失われる

加齢や紫外線・乾燥といったダメージ、生活習慣やストレスによるホルモンバランスの乱れによって肌の弾力が失われたことで、こめかみにへこみが生じてしまうことがあります。

肌は表皮、真皮、皮下組織の3層からなっていて、皮膚表面から2番目にある真皮が肌を内側から支え、ハリや弾力を保つ役割をしています。真皮にはコラーゲン、エラスチンなどがおもに存在しているのですが、これを生み出しているのは「線維芽細胞」と呼ばれるもの。紫外線や加齢によるダメージによってこの細胞の働きが衰えると、肌の弾力が失われてしまうのです。

肌の弾力が低下すると小さなしわができたりたるみが生じたりしますので、小じわが増えてきたという人は要注意です。

・側頭筋が衰える

側頭筋は、口を閉じるときに使われる、下顎と側頭部をつなぐ筋肉です。この筋肉は食事のほか、眼精疲労にも大きな影響を受けます。側頭筋が衰えて筋肉が細くなることで、こめかみにハリがなくなることがあります。

・脂肪が減少する

加齢やダイエットによって顔の脂肪が減少することで、こめかみがくぼんでしまうケースもあります。そのほかにも、まぶたがくぼんだり頬がこけたりすることもあります。このようなやせ方をすると顔に影が生じ、老けた印象を与えてしまいます。

こめかみのへこみを直すには?

こめかみのへこみを直すには、「肌の弾力を取り戻す」「側頭筋を鍛える」という、2つの方法が効果的です。具体的にどうすればいいのか紹介していきましょう。

・肌の弾力を失わせない・取り戻す

肌が弾力を失ってしまう原因は、加齢や紫外線、乾燥、ホルモンバランスの乱れとさまざま。それらの原因をできる限り取り除くのと同時に、スキンケアによるハリ対策が効果的です。

スキンケアの際に気を付けることは「こすりすぎないこと」「十分に保湿をすること」の2つです。化粧水や乳液はたっぷり使用して、肌にしっかりと浸透させましょう。アンチエイジング用の化粧品や、UVケア用品を使うことも大切です。

また、肌のハリを保つためには、喫煙も控えたほうがいいでしょう。喫煙することで体内に活性酸素が大量に発生し、コラーゲンの合成に必要なビタミンCが破壊されてしまいます。

栄養バランスのとれた食事や、質の良い睡眠といった生活習慣にも気を付けて、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)のリズムが乱れないようにしましょう。

・側頭筋を鍛える

側頭筋は日常的に使用する筋肉なので、凝り固まってしまっていることも少なくありません。まずはマッサージでほぐしてあげましょう。しっかりとほぐしたら、側頭筋のトレーニングもしてみてください。

側頭筋のマッサージ方法

こめかみ部分を3~4本の指の腹で円を描くようにゆっくりと押す。

側頭筋のマッサージは、たったこれだけです。

皮膚を引っ張ったりこすったりせず、中の筋肉に働きかけるようにするのがポイントです。

側頭筋のトレーニング方法

(1) 軽く上を向いたら奥歯を噛みしめる。この状態を5秒ほどキープする。
(2)5秒かけてゆっくりと奥歯に入れた力を緩める。これを3セット繰り返す。

側頭筋がしっかりと使えているかをチェックするため、こめかみを触りながらトレーニングするといいですよ。

側頭筋を鍛えることで、こめかみのへこみを改善するだけではなく、頬や目元のリフトアップ効果も期待できます。輪郭のたるみが気になる方も、ぜひ試してみてくださいね。

こめかみをふっくらさせる整形手術とは?

へこんでしまったこめかみをふっくらとさせるには、美容整形という方法もあります。基本的にはこめかみ部分にヒアルロン酸や脂肪などを注入して、へこんだ部分をふっくらさせるというアプローチがとられますが、へこみが軽度で肌のたるみがおもな原因だと考えられる場合、再生医療によって肌のハリを取り戻すというアプローチもあります。

具体的にどのような方法なのか見てみましょう。

・ヒアルロン酸注入

髪の生え際から注射器でヒアルロン酸を注入する施術です。手術時間は10分程度ですので、日帰りで受けることができます。腫れや傷跡は2~3日残りますが、施術の痛みもほとんどなく、メイクや入浴も手術当日からOKとなっています。

メスも使わず比較的気軽に受けられる施術ですが、ヒアルロン酸はだんだんと体内に吸収されてしまうため、数ヵ月~1年経つと元に戻ってしまいます。継続的に見た目を変えたいなら、定期的なメンテナンスが必要です。

費用はヒアルロン酸1ccあたり5~10万円ほどが相場です。注入するヒアルロン酸のメーカーによって効果の持続時間や費用が異なります。

・脂肪注入

自分の太ももやお腹などの脂肪を吸引し、こめかみに注入する施術です。脂肪吸引の手術が必要になるため、手術時間は全体で1時間ほど。脂肪吸引した部位を抜糸するために通院が必要ですが、手術自体は日帰りで受けることができます。

注入した脂肪の約50%は体内に吸収されてしまうため、2回以上の手術をすすめているクリニックが多いですが、一度定着してしまえば効果は半永久的に継続します。

腫れや傷跡は3~4日ほど、ヒアルロン酸注入と同様に痛みもほとんどありません。ただし、抜糸するまで入浴を控える必要があります。

費用は40~60万円程度が相場となっています。

・プロテーゼ挿入術

側頭部に近い毛髪内(地肌部分)を3~4cm切開し、こめかみのくぼみ部分にプロテーゼを挿入する方法です。一度挿入してしまえば、効果は半永久的に継続します。手術時間は約30分で入院の必要はありませんが、クリニックによっては手術の翌日、翌々日の通院が必要な場合もあります。手術の1週間後くらいに抜糸します。

プロテーゼ挿入は皮膚を切開するため、注射を使った手術と比較すると感染症などのリスクが高くなっています。腫れや内出血が数週間続くことがあり、体質によっては3ヵ月ほどむくみが現れます。そのほかにも、感染病によって傷口部分が化膿するトラブルやこめかみ周辺の麻痺・しびれといったリスクが考えられます。

費用は50~70万円ほどとなります。

・肌の再生医療

美容皮膚科の「肌の再生医療」によって、こめかみをふっくらとよみがえらせることができます。肌の再生医療とは、肌の老化を根本から治療するものです。自分の肌の線維芽細胞を抽出して増殖させ、それを移植することでシワやたるみといった症状を改善できます。自分の細胞を使用するため、拒絶反応などが出にくく、失敗や副作用のリスクが極めて低いというのがメリットです。

再生医療によって肌本来の弾力やハリを取り戻すことで、くぼんでしまったこめかみもふっくらさせることができます。移植した肌細胞をしっかりと定着させるために、2回施術を受けるケースが多くなります。

費用は皮膚採取で30~60万円、細胞移植が1回1㏄で10~15万円となっています。そのほか、細胞の保管料がかかるクリニックもあります。

どの方法が自分に合っているのか、よく考えて選択を

いつまでも若々しくいたい。

女性であれば誰でもこのような気持ちを持っていることでしょう。こめかみのちょっとしたへこみだけで実年齢よりも老けて見られてしまうのは嫌ですよね。

こめかみのへこみの改善方法は、スキンケアからマッサージ、整形、肌の再生医療までさまざま。でも、美容整形や肌の再生医療は、決して安くはありません。すぐにコンプレックスを解消できるというのは魅力かもしれませんが、手術内容によっては、日常生活を問題なく過ごせるようになるまでの期間が長くなってしまったり、自分の思いどおりの結果にならなかったりすることもあります。安易に施術を受けるのではなく、リスクやデメリットもしっかり理解した上で決断しましょう。クリニックのカウンセリングなどを利用すれば、こめかみのくぼみの原因や、一番効果的な治療方法も教えてもらえますよ。

自分はどうなりたいのか、どの方法が最適なのか、よく考えてから決めるようにしましょう。